二世帯同居を始めてから
もしかしてわたし、透視能力ついた？

我が家の2階には、3部屋とトイレがあり
入口のドア4つが狭い廊下に面していた。

階段上がって左の和室が母の部屋。
階段上がって右に洋室とトイレがあり
真ん中の洋室は、家族4人の寝室だった。

寝室でわたしと娘2人が絵本を読んでいると
母がトイレに行く物音がした。

廊下に面した寝室のドアは閉まっている。
壁一枚隔てた廊下は見えないのに
母の姿が、つぶさにわたしの目に浮かぶのだ。

和室の引き戸が無造作に開けられて
廊下を歩く足音が、2,3歩歩いて止まる。

母は聞き耳を立て、寝室の様子をうかがい
面白くない顔をしてトイレに向かう。

そんな母の気配が、顔の表情や体の動き方
首の角度まで、ありありとイメージできた。

わたしが座敷婆に対峙するのに
母の機嫌や気配に敏感になり過ぎたのか。
危険を察知する超能力が身に付いたのか。
なんて思ったわ。

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