乳がんの専門病院に精密検査をしに行ったその日
「手術が必要です」
「胸を全部取らないといけない」
担当医にそう言われて
わたしの心に重苦しさがのしかかってきました。
と言いつつ、実は
12月の集団検診で要精密検査と言われた時から
手術の準備を始めていました。
スイミングのバイトは、1月末で辞めて
2月からは、飲食店でバイトすることが
決まっていました。
地元のスイミングスクールなので
知人もいて、本当の話がしにくいのと
仕事柄、手術したら働けないだろうし
2月から始めるバイトなら
人間関係が出来る前に
仕事であてにされる前に
要らぬ気を使わずに辞められる
と、思いました。
で、実際その通りになりました。
2月2日 飲食店のバイト初出勤
2月4日 細胞診の診察結果を院長に聞くため
午前8時30分に病院に行き、その後出勤
2月5日 事情を説明してバイトを辞める
日記に、2月4日のことを次のように記しています。
朝一番に受診。院長より「乳ガン」告知。
乳房は全部とらないといけない。
手術は、ここでもよそでもいいけれど、早く決めなさい。
自分の症状、治療について
詳しく聞こうと心づもりしていたが
「ガン」という言葉は、やはりショックで
事実を受けとめるだけで精一杯だった。
相談したい人もいるので、その場で手術のことは決めず
飲食店へバイトに行く。目がうるんでくる。
バイト中もボッーとし、周りに人がいないと涙がにじんくる。
今すぐじゃなくても「死ぬのかな」と死を考える。
初診の担当医から言われた
「胸を全部取らないといけない」というのは
「乳ガンです」と言われたのと、同じことなのですが
はっきり「聞く」と「聞かない」のでは、雲泥の差。
院長から「ガン」だと言葉にして聞いた時の
ショックと動揺は、かなりのものでした。
質問しようと思っていたことは
何ひとつ聞けませんでした。
2月5日には、バイト先の男性の人事担当者に
昨日乳がんの告知を受け、近々入院手術をするため
辞めさせてくださいと、泣きながら話ました。
はっきりと口にして伝えなければならないのは
苦しかったけれど
かえって、親しい人ではないから言えたし
思いっきり泣けたんだなと思っています。
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