楽しそうな母を見て肩の荷を下ろす

家に帰る電車の中で
女友達と一緒の母を、たまたま見かけて
なんだか無性に安心したことがあった。

わたしは30歳前だったろうか。

駅に着き、降車口に向かうわたしの前を
50代らしき女性たちが、お喋りしながら
先に降りていった。

その女性グループを小走りで追いかけて
最後に降りて行ったのが母だった。

嬉しげな表情をしながら友達に遅れまいと
後を追う母が幼女のようで、驚くとともに

目の前にいるわたしに気づかないくらい
女友達に夢中になっていて、ホッとした。

仕事があってお金があって遊ぶ友達もいる。
わたしがいなくても
母は充実した楽しい毎日を過ごせている。

そう思うとわたしは、肩の荷が下りたような
解放感と安堵感を感じていた。

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