電車の吊り革につかまって
ぼんやりと前の座席を見ていたわたし。
急にピントが合って目に入ってきたのは
ヒゲの濃さを感じる口元。
口元から視線を広げていくと
栗色に染められたショートヘアに
眉毛にかぶるくらいに下ろされた前髪。
「ん?」
着ているトレンチコートの衿先が
まあるいカーブを描いている。
「あれ?」
伏し目がちにスマホを触る指のしぐさ。
「もしかして?」
パンツスタイルで
きっちり揃った膝がしら。
「えっ?どっち?」
ヒゲ剃り後とのギャップを感じて
わたしは心でつぶやいた。
男なのか女なのか、はっきりしないで
落ち着かない気持ち。
でも、その人が男か女か、それ以外か
ホントのところは
容姿や服装だけではわからない。
それなのに
全くその人のことを知らないわたしが
その人のことを決めようとしている。
「わたしが決めることじゃないよね」
わからないことに因われて
答えを決めようとする自分を振り払った。
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