赤の他人への八つ当たり

家賃を滞納する入居者が、賃貸にした実家に
パラサイトする恐怖を感じていました。

入居者に不完全燃焼の怒りを燻らせたのは
わたしの母娘関係の中にあった
怒りに紐づいたからでした。

とくに

処分し切れず、残していった大型ゴミの件で
夫やハウスクリーニング業者のSさんから

「女性だけで2階から運び出すのは大変」と
シングルマザーの入居者を思いやるような
言葉を聞くと、ムカムカしていました。

もちろん

Sさんの、現場経験に裏打ちされた
約束を守らないルーズな入居者とのやりとりを
長引かせないための、布石の発言であることも

また

夫が現実的に判断していることも
頭では、わたし、理解していました。

でも

無性に腹が立つんです。
入居者に筋を通させたくて、意固地になって

「甘えるな!」
「人の助けをあてにするな!」
「ひとりで最後までやり遂げろ!」

と、叫びたい気持ちに駆られました。

この気持ちが
わたしの中のどんな怒りに紐づいていたのか
というと

母子家庭で育ったわたしは
こどもの時から、周囲の大人たちに

「女手一つでお母さん、頑張ってこられたね」
「お母さん一人で大変やから、助けてあげや」

という言葉をかけられてきました。

ひとり親の、母は、称賛され擁護され
ひとり娘の、わたしは、支える立場を
幼い頃から求められてきたのです。

その母娘関係を
シングルマザーの入居者とわたし、の関係に
重ねていたのだと思います。

大人になって、言語化できるようになって
わたしが、母を受け容れられないことを
周囲に思い切って話をしてみると

「お母さんの苦労、わかってあげて」
「そんなん言うたら、お母さん可哀想よ」

ひとり親の母をかばう言葉が返ってきました。
やっぱりわたしは、ただの苦労知らずの
わがままなひとり娘でしかなかった。

わたしの立場で、話を聞いてもらえない悲しさや
訴えても理解されない悔しさは
積み重なった感情は、行き場がないのです。

行き場をなくして
何度も何度も、心の底に沈めてきた気持ち。

家庭環境の似た入居者を縁にして
怒りとなって、浮びあがってきたんですね。

ようするにこれは、八つ当たりだな。

そう考えると
怒りを出し切らせてくれた入居者に
感謝の気持ちが湧いてきますよ。

入居者母娘の人生に幸あれと祈ります。

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