「わたしの絵・・・みんなと違う」
おばあちゃんちに預けられる年長児の
わたしが描いた絵は、印象的だった。
母の日に向け描かれたお母さんの絵が
保育園のホールに展示されていた。
他の園児たちの絵を眺めていたわたしは
自分の絵がみんなと違うことに気づいた。
こどもながらに、強い違和感を感じて
絵の前で佇んだ記憶が残っています。
違和感といっしょにその絵を
40代まで持ち続けていました。
チャンスがあれば
その絵の心理分析をしたい
とまで思っていました。
わたしの40代前半というのは
同居した実母との関係に悩み苦しみ
必死でもがいていた時期。
当時、幼児教室の講師として働いていて
週一回の勤務は、長時間ひとりになれる
ほっとできる時間でした。
思わず口からこぼれ出てしまったのか
ある時、先輩講師のK先生に
実母との関係に悩んできていることを
話しました。
そして、元小学校教師でベテラン講師の
K先生ならわかりそうな気がして
お母さんの絵の話をしたのです。
わたしから絵の説明を聞いたK先生は
「まさに、蓋、だね」
率直におっしゃいました。
もしかしたら、わたしは無意識で
蓋をイメージさせる言葉を使って
K先生に話をしていたかもしれない。
けれども、わたしにとっての
「お母さん」という存在が
端的な言葉で表現されたことで
長年抱えていた違和感の正体を
つかんだようですっきりしました。
母の存在のしんどさを自覚したのは
乳がんの手術をした32歳の時。
同居で核心に触れ始めたのが41歳。
でも、すでに6歳の時には
わたしにとって母はしんどい存在
だったのかもしれません。
まあ、自分の人生と辻褄が合うよう
解釈しているところもあるでしょう。
何にせよ、K先生のひとことで
絵の謎解きをしようとする執着から
解放されました。
その絵は、役目が終わったので
処分して手元にないのですが
こんな絵でした。
ポイントだけ再現して描きましたが
お絵描きレベル、ひどすぎるな(-_-;)。
いや、見てほしいのそこじゃないから(笑)。
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