夫が平日に休みを取っていたある日。
昼ごはんに鶏もも肉の照り焼きを作りました。

こんがり焼き色がついて出来上がり
ふたりして「美味しそうやなあ」
と言い合っていました。

いいにおいがしてきたのでしょう。
同居していた母が、2階の自分の部屋から
ドスドス足音を響かせながら下りてきました。

そして、台所に入ってきて
お鍋の蓋を開けて言い放ちます。

「なんじゃ、これ」・・・最初はまず、コレです。
「うわあ、油っぽいっ」・・・必ず、けなします。
「こんなもん、よう食べるわ」・・・定番の嫌味。

散々ケチをつけられて
わたしが怒りに打ち震えている間に、そそくさと
母は背中を丸めて、2階に上がって行きます。
お鍋を覗くと、鶏もも肉が1枚消えています。

今、これを書いていると
吉本新喜劇みたいで笑けてくるわたしも
当時は笑える状態ではありませんでした。

けなされ、嫌味を言われ、否定され続けて
育ってきた自分がどれほどまでに傷ついてきたか
自覚し始めていた頃でした。

湧いてくる怒りをどう処理していいか
わからない時でした。

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