無条件で愛されているのは、こどもではなく親

なぜ、母はこんなに、わたしに執着するのだろうか。
わたしが、達観する10歳の頃には、不倫相手が
いたんだから、男に執着したっていいものを。

見捨てられる不安と孤独の恐怖を抱えていた母
娘のわたしに求めているのは、母親の愛情なのか?
そう思い始めると、空恐ろしくなった。

「ひとり娘だから」という理由だけでは
母の執着心と釣り合わないように感じていたところ
母のわたしへの執着に納得できる答えを見つけた。

きっと母は、こどもの無条件の愛が忘れられないのだ。
新聞の子育て記事を読んでいて「これだ!」と思った。
記事には、親子の無条件の愛について書かれていた。

わたしの記憶をもとに、記事をまとめると

世間では、親の愛について語られることが多い。
親の、こどもへの愛情の大きさ、深さや
無償の愛を表現する言葉は、たくさんある。
しかし、無条件で愛してくれるのは、こどもの方で
こどもは、3歳までに一生分の親孝行をする。

こんな内容だったと思う。

当時のわたしには、目から鱗が落ちる衝撃だったけど
自分の体験を思い出して、ひどく納得した。
わたしも、我が子から無条件の愛をもらっている。

一人で生きていけない赤ちゃんは
親にすべてをゆだね、全力で泣いて欲求を伝えてくる。
お世話をすれば、まっすぐな瞳で見つめ返してくれる。

しゃべれるように、歩けるようになった赤ちゃんは
「ママ、ママ」と呼び、全身全霊で追い求めてくれる。

親として未熟なわたしでも、こどもに必要とされていて
人間として不完全なわたしでも、こどもは慕ってくれる。

わたしは、母親という役割に、自分の存在価値を感じて
子育てによって自己肯定感が高まった。

そして、思い出した自分の体験というのは
何をしても長女が泣き止まなかった、ある夜のこと。
こんな日もあると思いつつ、わたしまで泣きたくなった。

わたしは、互いの泣きたい気持ちに寄り添うように
「いいよ、泣きたい時は泣きたいだけ泣けばいいから」
と、生後4ヶ月の長女を相手に何度も話しかけた。

すると、意図せず、自分が口にした言葉で、タガが外れて
感情が溢れ出したわたしは、声をあげて号泣してしまった。

はたと我に返ると、腕に抱いた長女は、いつの間にか
泣き止んでいて、見守るようにわたしを見つめている。

長女の眼差しと肌から伝わってくる温もりに
「ああ、この子は、わたしのことをわかってくれている」
そう思えて、親のわたしが、母子一体感を感じた。

その時、恍惚とするような感覚に包まれた。
こどもからの無条件の愛を吸った瞬間だ。

愛されることを知らずに育った大人には
こどもからの無条件の愛は、甘い蜜のよう。

こどもに依存して執着してしまう親の気持ちが
わたしにはわかる気がした。

わたしの母も、こどもだったわたしから
無条件の愛を吸ったに違いない、そう思った。

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