会いたい気持ちのすれ違い

母娘問題はどん詰まり、実の父に会うことにした。
正確に言うと、父と兄には会ったことがあった。

初めて兄に会ったのは、公営住宅に住んでいた頃。
わたしが高3か短大1年生の時だった。

誰か来たので、玄関のドアを開けてみると
坊主頭のヤンキーっぽい青年が立っていた。

要を得ないあいさつをされたが、すぐピンと来た。
家に上げて、話をした。

兄は、地味なわたしを見て、意外そうに
真面目に育ったんだな、というようなことを言った。

わたしはと言えば
「ヤンキーか…」と、少し残念な気持ちだった(笑)。

小5の時、そう遠くない所に父と兄が住んでいると知り
大人になったら、自分から会いに行こうと思っていた。

そして、ドラマのような感動的な再会を妄想しまくり
父と兄を美化して、期待値を上げ過ぎた。

兄が訪ねてきてから、1,2年後に引っ越したが
どういうわけか、兄は新しい家にも数回尋ねてきた。
母と3人で外食したり、兄妹で飲みに行ったりもした。

当時の兄には、母や妹に会いたくなる理由や思いが
何か、あったのかも知れない。

けれど、離れて暮らした時間を埋め合わせて
母と息子、兄妹の絆を取り戻すまでには至らなかった。

20歳を過ぎたわたしは、人間不信が強い時期でもあり
兄の言動に不信感を感じると、心は冷めていった。

母にも、息子への思いはあまり感じられなかった。
その温度差は伝わったのだろう、それきりになった。

そして、父とは、たぶんわたしが
小学生の低学年の時に顔を合わせている。

下校中、家の近くまで来たわたしに、バイクに乗った
知らない男の人が千円札を渡して行ったことがあった。

また、夜中に目を覚ますと、母に男の人が覆いかぶさり
畳の上で揉み合いになっていた。わたしは母を守ろうと
長いほうきを手に、その男の人に立ち向かった。

次の日、母は何も言わなかった。
夜中にあったことは夢か現か、よくわからないまま
頭の片隅に記憶された。

後々の母の話で、その男の人が父だと理解した。
それが40代になって改めて、父と兄に会うことになった。

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