自己否定感の育まれ方

「あっちに似たんや」
こどもの頃、母からよく言われたことです。

わたしは歯の噛み合わせが悪く
少し受け口ぎみです。

歯の話題になると
「アンタの受け口は、あっちに似たんや」
と言われ

また、わたしの耳垢はウェットタイプで
耳かきをしていると

「アンタの耳クソ柔らかいんは、あっちに似たんや」
と言われました。

「あっち」とは
わたしが3歳の時に離婚した父のことで
父方の遺伝を受けたということです。

受け口も柔らかい耳垢も事実ですが
事実を伝える言葉の後に続く、言葉はなく
言いっ放しです。

忌々(いまいま)しく
「アンタの〇〇は、あっちに似たんや」
と母から言われて

わたしは
「だから?何が言いたいの?」
心の中でつぶやいていました。

忌々しく憎らしく言いたくなるのは
理不尽な離婚にあるのでしょうが

「お母さん、わたしのこと嫌いなんかなあ」
こどもなら思うことでしょう。

体や性質、持って生まれたものに
ケチをつけられたら
自分を受け容れられなくなるでしょう。

こどもだったわたしは
母と耳垢のタイプが違うことにさえ
うっすら罪悪感がありました。

お父さんに似てしまったのは自分のせい。
そんな自責感も感じていました。

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