現金50万円が布団の隙間から見つかる

絶対ムリだと思っていた別居が現実になった
何度も言うけど、奇跡としか言いようがない。

GWに認知症の疑いがクロになった出来事があって
その2週間後、母が家を出ていくことになった。

約束の時間になると、引越しの作業員がやってきて
母の部屋の荷物をどんどこ運び出していく。

その最中、母が2階から降りてきて
ダイニングテーブルの椅子に座って呆然としていた。

母が手元の封筒をじっと見つめている。
わたしが声をかけると「50万あった、、」と答えた。

母の部屋の押入れの、布団の隙間から見つかったと言い
母はキツネにつままれたような顔をしている。

わたしには、「お金が見つかってよかった」気持ちと
「やっぱりクロだ」と念を押す気持ちが、わいた。

6畳一間の荷物は一瞬でトラックに積み込まれ
あっと言う間に、我が家に母の居場所は失くなった。

いざ出発となり、母は忌々しげな表情を見せたが
わたしに急かされて、仕方なくわたしの車に乗った。

引越し先に向かう車の中で、母はブツブツと
自分の押入れからお金が出てきた事実を否認していた。

誰かや何かのせいにするようなことを言っている。
わたしは腹が立って、助手席の母を怒鳴りつけた。

「ハア?何言うてんの?!見つかってよかった、
心配かけてごめんな、ありがとうやろオオオオ?!」
運転しながら首に青筋を立てて、溜飲を下げた。

後になって思えば、認知症に良くない反応だったな。
母は元々人や環境のせいにする人だが、それ以上に
自分の記憶が消えていることに混乱していたと思う。

わたしは、我が家から荷物と母が運び出されて
もう安心だと感じた瞬間、母より優位な立ち位置から
感情にまかせて微塵の優しさもなく母をなじった。

母とわたしが離れて住むことになって
物事は次から次へと展開していった。

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