絶対ムリだと思っていた別居が現実になった

奇跡が起きた。
頭上から聞こえてきた「だいじょうぶ」って
このことだったのか。

母が我が家を出ていくことになった。
絶対ムリだと思っていたことが現実になった。

どん詰まりになった母娘の前に現れた救世主
Iさんのおかげだった。

母は、同居の不満や愚痴をIさんに聞いてもらい
「ワタシは田舎に帰る」
「近くにアパートを借りて住む」と言い続けた。

Iさんは、出会ってから半年以上つき合っても
まったく愚痴が止むことのない母に

「一人暮らしができるお金もあるんやし
そんなに同居が嫌なら、アパート借りたらいいやん」

と言って、母をその気にさせてアパートの内見から
契約までを完遂させた。Iさんは、神だった。

アパートを見に行く気になった母が
以前から目をつけていた具体的な物件を出してきた。

すぐさま、わたしが不動産会社に連絡をして
母とわたしとIさんで物件の内見に直行した。

2階建ての古い木造アパートなのに
〇〇マンションというインチキな名前の賃貸。
2DKの部屋は意外に綺麗で、日当たりもいい。

母は何やかんや文句をつけるが
Iさんはアパートの良いところをどんどん言葉にして
ポジティブマインドで母のネガティブを消していく。

「ここなら娘さんの家から近いし、私も毎日遊びに来れる」
Iさんの一言が母の心を動かした。
3人で不動産会社へ行って契約手続きとなった。

母が新生活の良いイメージをしたところに
余計なこと、不安なことを考える隙のないスピード感で
あれよあれよと事が運んでいった。

でも、契約手続きは簡単ではなかった。
娘家族と住んでいたいのが、母の本心なのだから
別居が現実化する契約には、当然、抵抗が出てくる。

書類を書く母の手が止まった。
でも、代わりにわたしが書くわけにはいかない。
わたしは手に汗を握りながら、黙って見守っていた。

いつもなら、母を前にして冷静になんてなれないが
Iさんと話している母を、客観的に見ていたわたしは
母のぐるぐる思考に気づいた。

母の思考は、3つのパターンのくり返しだった。

①なんでか
娘家族との同居生活がワタシの期待どおりにならない。

②せやから
ワタシはもうアパートにひとりで住みたい。

③せやけど
家のお金を出したのに、なんで出て行かなあかんの💢

①に戻る
この①→②→③の思考が延々と無限ループしているのだ。

Iさんが見事だったのは
母のぐるぐる思考が、②のギアに入った時に
母に次の行動を促すためのアプローチをしていたのだ。

心が決まらない母の思考が②に入ると、Iさんは母に
一人暮らしの気楽さをイメージさせる言葉をかけた。

娘や孫たちがすぐ来れる場所だと安心感を与えて
私も毎日行くからと、母の孤独感を取り除くのだ。

それに応じて、母はペンを持って書類に記入し始める。
住所を書いてはぐるぐる、署名をしてはぐるぐる。

思考が②に入るたびに、項目を一つずつ記入していき
母の意思で、時間をかけて契約書類が仕上がっていった。

営業マンも、内見から訳ありの物件探しで、契約時には
母の衰えもわかっていたのでは。成約になればよかった
だけかもしれないが、わたしは協力してくれたと感じた。

何か見えないものに守られているとしか思えない展開で
審査もとおり入居日も決まり、無事、契約は完了した。
わたしは、さっさと引っ越し業者を依頼した。

そして、引っ越し当日、あの50万円が見つかったのだ。

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