大嫌いな母が亡くなった。
お葬式の日程と葬儀社が決まった。
次は葬儀場の場所を決めなければならない。
ちょうど葬儀社の葬儀場が、参列する親族たちの家と
我が家の中間地点にあったことで、そこに決めた。
決め手は交通アクセスではなく、顔見知り程度の
知人が来にくい、微妙に遠い距離がよかった。
当時、中二病みたいな精神状態だったわたしは
一般的な儀礼的な言葉のやりとりを避けたくて。
「大切なお母さんを亡くされて…」と言われたら
「いや、別に大切にしてないし」と心の中でつぶやき
「お寂しくなりますね…」と言われたら
「全っ然、寂しくないです」と言い返したくなった。
「母娘は仲が良いもの」という固定観念を感じると
ただの社交辞令でも、いちいち心に引っかかった。
軽く流せなくて、傷ついてしまう自分を守りたくて
わたしファーストにした結果、家族葬になった。
小さな家族葬で、わたしがこだわったのは、祭壇。
白と緑が基調の、清浄さを醸す祭壇ではなく
ピンクや水色などの淡色の、可愛い小花を集めて
ふわっとしたお花畑みたいな祭壇にしたかった。
贈る相手の雰囲気を聞いてアレンジしてくれる
センスのいい花屋さんがあって、そこに依頼した。
電話だけのやりとりで、祭壇はイメージどおり。
祭壇の寸法や遺影の額縁の色などの背景にも
その場で合わせたかのように、ぴったりだった。
感激のあまり、花屋さんに遺影入りの祭壇の写真を
送って、電話で、感謝の気持ちを伝えた。
近所の花屋さんのおかげで
わたしの見送りたい思いは、十二分に満たされた。
「お花畑みたいに」とも「花を飾りたい」とも
母は言ってないし、わたしの自己満足だ。
母がどう思ってるかはどうでもいい。今更聞けない。
たとえ聞けても、どうせ文句しか言わないから。
生前、母はわたしに
「どうせワタシが死んだらアンタの好きなようにされんにゃから」
と言った。
その言葉のとおり、心置きなくさせてもろて。
あ、いや、嘘です。
母が何言ってても、好きなようにしたわ(笑)。
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