専門家のためのカウンセリングセミナーで
知的能力障がい(軽度や境界知能)のある母親に
育てられた人の特徴を知った。
頼るものがなく漂流する異邦人のような浮遊感。
心の奥底からわき続け消えることのない不安感。
どこにも自分の居場所がないと感じる孤立感。
わたしが抱えてきた感覚や感情、とそれは同じで
心身の症状などにも思い当たることがあった。
中2の頃、強迫神経症のような症状が出ていた。
ノートに書き始める最初のひと文字が書けない。
字が気に入らなくて、消すことをくり返して
授業中ノートがとれなくなった。自分がおかしく
なったと不安になりながら誰にも話していない。
母娘の通勤と通学先が同じ公立中学校だった時は
先生たちが母の子育てを補ってくれたのだろう。
高校入学後、高1の担任から聞いたのが
母がわたしを「やりにくい」と言っていたこと。
詳細はわからないから勝手な推測になるけど
精神的に成長していく娘の心理が、母には
理解どころか想像もできなかったのではないか。
高校では家庭代わりの部活が心の支えになった。
短大から就職にかけての人間関係や進路の悩みは
複雑になっていくが、母に話してもしょうがない。
自分で自分を支えて生きるしかないわたしは
経験不足の狭い視野で一人悩んで自己完結させた。
常に不安と緊張を感じているのが標準仕様で
わたしは安心感やリラックスすることを知らない。
社会人になってから、人と話していて急に相手の
言葉が聞きとれなくなってしまうことがあった。
喉まで出かかっても、けして声にならないことも。
また、自分が見たり聞いたりした現実の体験を
自分自身が信じられなくなったこともあった。
自分の心や体や意識から五感が分離するような
感じは、心の限界のサインだったのだろう。
心身の感覚は鈍っていて、自分の存在感が希薄で
身の危険や死の恐怖、強烈な痛みを感じることで
生きている実感を得ていた気がする。
一人暮らしを始めてから
特に理由なく漠然と「消えたい」と思っていた。
20代は、飲酒して記憶がなくなってしまったり
病的な煙草の吸い方をしていた。
不健康なイメージの喫煙は健康が取り柄の自分と
一致せず抵抗があって、人前では吸わなかった。
毎晩、自分の部屋のベランダで吸うのだけど
煙草一箱を吸い切らないと吸うのをやめられない。
煙草の煙で心の隙間を埋めているのかと思った。
吸っている間、脳内ではネガティブ思考が渦巻き
自己否定や自己嫌悪、罪悪感や虚無感に襲われて
ブラックホールに堕ちていくような感覚だった。
ある日、自分の周りに半透明のベールがかかった
ように見えて現実感がなくなった。
周りの世界から自分が切り離されたよう。
それは離人感や現実感消失症など解離と言われる
症状だったのだと、セミナーを受講して理解した。
表面的には普通に働いて遊んで生活していた20代
だけど、けっこう精神状態ヤバメだったみたい。
自分の生き辛さの原因が母にあると気づいたのは
30代で乳がんになってから。二世帯同居した母と
対峙して、母娘問題の全貌が見えてきたのが40代。
50代で、専門家のためのカウンセリングセミナーを
受講してクライアントを見立てるメソッドを学んだ。
セミナーの体系化された理論と多様な現場のリアル
な事例が、母へのかすかな違和感や疑問を紐解いた。
真っ当に社会で生きている母に違和感を感じたのは
たぶん一人娘のわたしだけで、こどもだったわたしに
母が周囲の大人とどう違うのか、説明は難しかった。
でもセミナーでは、わたししか知らないはずの体験や
感覚、思考や気持ちが言語化されていて解説してある。
わたしと同じような人が他にもいるんだ。。。
発症率の高い知的能力障がい(軽度と境界知能)は
社会で気づかれにくく、さらに気づかれていないのが
軽度や境界知能の母親に育てられた子の存在。
というセミナーで得た情報が、ブログに書き綴った
謎解きパズルの全ピース(母のエピソード)を繋げた。
なるほど。やっぱり、そういうことかと腹落ちした。
わたしが悩んで葛藤してきた母娘関係の本質は
母娘の相性的な問題ではなかったんだ。
「母はなぜこうなのか?」この問いに答えてくれる
体系化されたカウンセリング理論を見つけたわたしは
出口のない迷路からやっと、やっと脱出できた。
母の謎解きゲームから解放されると、潮が引くように
傾聴やカウンセリングへの興味関心がなくなった。
そしたら、心理学系に興味関心がなくなったのとは
別の理由で、相談業務のある職場を辞めることになった。
ゲームクリアすると仕事も卒業になっていくみたい。
自分の人生の課題と、縁する仕事がリンクしてるの
ホント不思議やなあ。
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