認知症が出始めた母との
埒が明かない同居生活に絶望していた時
わたしは不思議な体験をした。
頭上から聞こえてきた「だいじょうぶ」の声のほかに
自分の問いに自分の内側から答えが返ってくるという
鮮明な体感を伴った体験だった。
それもやはり、車の運転中で
誰に問うでもなく、わたしは一人つぶやいていた。
「なんで、こんな人がわたしの母親なん?」
「なんでわたし、あの人の娘なんよ?」
「一体全体、なんでなん?」
話は噛み合わないし、気持ちが通じ合わない母。
一緒にいればいるほど孤独を感じる母娘関係だった。
わたしからすれば、母は昔からずっと認知症のよう。
本当の認知症になったなら一生すれ違ったままだ。
自分の投げた問いに対する答えが自分から返ってきた。
「わたしだからだよ」
そして、「わたしだから」の意味を自分で読み解いた。
こどもの頃、母に感じたかすかな違和感に始まり
二世帯同居で気づいた実母の心の闇。
見捨てられる不安と孤独の恐怖を抱えていた母である
と見立てたわたし。
見えるものよりも見えないものに心惹かれてきた。
人の心に興味と関心があった「わたしだから」
感受性の強い「わたしだから」
母の親兄弟には、わたしのような視点で物事を見る人は
いなかった。母は無意識で、自分の生き辛さをわかって
ほしかったのだと、わたしは感じた。
母のことをわかっているのは、わたししかいない。
「わたしだから」母のことを理解できるのだ。
あの人が母であること、あの人の娘であることを
初めて、わたしが受け容れた瞬間だった。
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